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■寝台つながり
別にエロくはないですよ。
関連項目→住まい
→窓つながり→絨緞つながり→扉つながり→壁つながり→階段つながり→風呂つながり、→椅子つながり

▼カッフェー・オーレー・オーリ。

『ベッドでのむ牛乳入り珈琲』
(瀧澤敬一/暮しの手帖社)

これを言うと、フランス人の鼻がますます高くなるのは目に見えているので、あんまし言いたくないんだけど、やっぱり今でもフランスは文化の中心だと思うことがあります。
本書が発表された頃(昭27)は、今よりずっと、そういう風潮があったでしょうね。
─フランスの衣食住で、あまり気のつかない茶飯事を拾つて見たのがこの一冊である。(あとがきより)
と言う通り、実際に暮らしてみて分かるフランス生活のこまごましたあれこれを綴ってあり、今読んでも非常に面白いです。そんなに昔のこととは思えません。知的で、時にフランス語単語まじり、「フランスではこうなんだよ」と、ちょっと自慢っぽいのもイイ(笑)。これを読んだ当時の人は、どんだけポーッとなったことでしょうか。
タイトルは、流行歌の一節ですって。
♪ねどこでのむ牛乳入りのコーヒー
 菓子もあつたかい、クロアッサンも一所だ
 あヽなんてうまいんだろう、こんちくしょう
「ぴんぴんして居ながら、ねどこで、カッフェー・オーレーをのむことは、奥さん連中にとつては人生至上の幸福であるらしい」です。でもそれは女中があってこそで、「女中なんか雇えない世の中だから」云々と書かれていますが、最近のフランス事情はどうなんですかね。
ちょびっとでもフランス好きで、森茉莉さんのエッセイに出てくるフランスエピソードは暗記してる向きには、間違いなく楽しい本です。
→珈琲つながり

▼寝台車。

「寝台車の殺人者 創元推理文庫」
(セバスチアン・ジャブリゾ 望月芳郎訳/東京創元社)

うーん。
忘れてしましましたが、列車の中の殺人、ということでしょうね(当たり前か)。
考えてみれば、それは人気の設定です。
オリエント急行の殺人とか、佐々木倫子さんの鉄道のヤツとか、
西村京太郎とか?
映画も多い。
でも特に寝台車ってことで、寝台つながりにはコレかな。

▼トラベッド?

「トラベッド 福音館創作童話シリーズ」
(角野栄子 スズキコージ/福音館)

妹のアイちゃんがうまれて以来、お母さんはアイちゃんにつきっきり。
お姉ちゃんのヒロちゃんはじっと我慢。
とうとう我慢できなくなって、腹立ち紛れにアイちゃんのベッドにトラの絵を描きます。「アイちゃんなんて、たべられちゃえっ」、なんて。
するとその夜─。というお話。
表紙でもおわかりいただけると思いますが、大きなトラの姿で暴れるトラベッドが魅力たっぷりです。
角野栄子:作 スズキコージ:絵 のコンビ、大変よろしいです。
弟妹ができて凹んでいる幼いお姉ちゃんやお兄ちゃんに読んであげたい。

→トラつながり

▼魔法のベッド。

「まほうのベッド」(メアリー・ノートン)
画像は世界の名作図書館第9巻。ジョージ・マクドナルド「北風のうしろの国へ」を併録。 山室静他訳 講談社

3人の子どもたちと、修行中の魔女プライスさんは魔法のベッドに乗って冒険へ。
講談社青い鳥文庫や岩波少年文庫からシリーズで刊行されています。
著者さんは最近アリエッティのほうで有名でしょうか。

▼中井英夫〜。

『 チッペンデールの寝台 もしくはロココふうな友情について』
(※『幻想博物館 講談社文庫』の収録作)
中井英夫/講談社文庫)

中井英夫さんの妖しい短篇集「幻想博物館」の収録作。
久しぶりに再読したら、今でもやっぱりぞくぞくする中井英夫味でした。
文体も話もたまらん。
最近、こんな人、いないなあ。
澁澤龍彦の解説も、読後の読者のその辺の心の昂ぶりをずばりと言い当ててくれていて、
「そう!」とうなずきまくりです。