| スパイものって面白い。大好きです。スパイになりたいと思いつづけて早十年以上。頭が良くて体力がないとダメなんだろうなー。非情で孤高で、影がある、そんなスパイに私はなりたい。 ▼好きなんです。 
         「歯とスパイ」 
        (ジョルジョ・プレスブルゲル/河出書房新社) 
          
        「SD4・右上第一小臼歯 この歯が痛むとき必ず、要人が暗殺される」 
        東欧的想像力が生んだ寓意と奇想あふれる物語。(帯より) 
        あるスパイの1本1本の歯にまつわる物語を描く、歯小説(ししょうせつ)。 
        それぞれの歯についての物語というモザイクを極力年代順に並べてみたけれど、歯の並び順に読もうが、開いたページから読もうが一向に構わない、と作中にあります。つまり、この小説はコンピュータのようなもので、1本1本の歯を通して彼の人生の全体像にアクセスできる、と。 
        はー、モザイク大好き人は、どうしたって食指が動いちゃうってもんです。たまりません。 
        →モザイクつながり 
        →歯つながり 
        ▼すでに古典。 
         「寒い国から帰ってきたスパイ」 
        (ジョン・ル・カレ/早川書房) 
          
        スパイ小説界の王様。これが基本でしょう。 
        一時の諜報小説はこれをいかに変形するか、ってことで 
        苦心惨憺してたと思われます。単なるバリエーションは多いですし。いまだに越えられない大きな垣根たる基本的名作では? 
        ▼傑作。 
         「ペパミント・スパイ」 
        (佐々木倫子/白泉社) 
          
        今じゃすっかり有名になっちゃった佐々木倫子さんの出世作。これが彼女の一番の傑作だと思うんですが、いかがか? 今でも名台詞を思い出して引用することがあります。ドナルド君、おもしろすぎ。引退したスパイの村の話、キャロラインの話、なんかがお気に入り。また続きを書いてくれるってことは100%ありえないんでしょうか? こういう連作短篇集はいつでも復活できると思うんだけどー。というわけで、楽しすぎる連作短篇つながりへ。→楽しすぎる連作短篇つながり 
        ▼いい男どっさり。 
         「リヴィエラを撃て」 
        (高村薫/新潮社) 
         
        スパイやハードボイルドが好きな人は読み出すととまりません。 
        いい男がいっぱい出てくる非情なる国際社会の裏舞台。 
        懊悩するイイ男がどっさり豊作〜。 
        頭のいい人って、ただそこにいても 
        情報部に目を付けられちゃうんですかねー。 
        こんなヨコシマなレヴューでは殴られるかもしれませんが御容赦を。 
        ▼おばちゃまだって。 
         「おばちゃまはアルペン・スパイ 集英社文庫」 
        (ドロシー・ギルマン/集英社) 
          
        おばちゃまシリーズ、じつはけっこう好きなんです。和みますもん。 
        それにおばちゃまの気持ち、よく分かる! 
        私もスパイになりかった! 
        こんな機会があったら、私も絶対スパイになる。 
        おばちゃまに感化されて前向きになれる本です。 
         
        さて、おばちゃまシリーズ第4冊目のこの巻には 
        ロビンという宝石泥棒さんが出てきますよ。 
        かっこいいです。 
        →泥棒つながり 
        →老人つながり 
        他に… 
        「スパイのためのハンドブック」(ウォルフガング・ロッツ/早川書房) 
        「ユニオン・クラブ綺談」(アイザック・アシモフ/東京創元社) 
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