迷子になったらまずHOMEへ

■手紙つながり
手紙が出てくる話。手紙が鍵の話。
関連項目
→郵便つながり
関連項目→通信手段
→電話つながり

▼のすたるじあ〜。

「ふりだしに戻る 角川文庫」
ジャック・フィニイ/角川書店)

主人公は、90年前に投函された青い手紙の謎を解くために1882年のニューヨークに行くんです。なにがすごいって、その過去への行き方がすこいです。かなりびっくり。今すぐにでもできるんですよ。挑戦しませんか?
この著者の持ち味のノスタルジーが炸裂。たまらない名作。
→タイムトラベルつながり

▼店主一押し。

「殺し屋から愛をこめて ハヤカワ文庫NV」
(フランク・マコーリフ/早川書房)

メルマガ読者の方へ。
ごめんなさい、そしてありがとうございます。
売り切れました!ウレシー!

この本、
めちゃくちゃ面白い本のベスト10に入れてもいいくらいなんですけど、
割りと知名度が低いようで残念です。
もっと騒がれてもいいと思うんだけどなぁ。
腹をかかえて笑える、スラップスティックな殺し屋モノです。
→つづきを読む。(殺し屋つながり)

▼さすがです。

「三島由紀夫レター教室 ちくま文庫」
三島由紀夫/筑摩書房)

三島由紀夫いいですよね。好きです。
昔の読書は、もっぱら新潮社文庫のメジャー作でしたが、
大人になってからは、集英社文庫の「夜会服」、「幸福号出帆」、
角川の「不道徳教育講座」、
その後、ちくま文庫ですかね。たまに新潮文庫に帰ると。
何をやらせても読ませる男です。
心中を誘う手紙、肉体的な愛の申し込み、同性への愛の告白、などなど、
ぜひ書き方を知っておきたい(?)異色の手紙のみで物語が進行します。
ちゃんと一つの物語になってるところが流石です。
※流通中です。

▼友達になりたい。

「ぜんまい屋の葉書」
(金田理恵/筑摩書房)

これは、いわゆる見過ごせない本です。
気になる本。著者が自分で作った葉書の数々を紹介してる絵葉書集ですが、じつに魅力的。こんな葉書ほしいなぁと思います。ささやかなアイディアなんだけど、心和む。英国製の活版印刷機で作ってるんですって。だからこその味わいなのね。

これは持ってた方がいい本なのかも?と本好きをかるーく誘惑する本です。
こういう本が版を重ねていると、ほっとします。
表紙はとても地味でさみしいので、どんな帯が付いていたんだろうと、気になりますが見たことないんですよね(苦笑)。
→見過ごせない本ランキング
→イケてる帯ランキング

▼だれもかなわない。

「日曜日には僕は行かない」
(「恋人たちの森 新潮文庫」の収録作)
(森茉莉/新潮社)

森茉莉さんの耽美的短編小説。
この半朱(ハンス)のような、利己的で甘ったれの美少年を
書かせたら天下一品ですな。

愛する半朱を婚約者の少女と別れさせるために
達吉が半朱を装って書いた手紙の始まりが、「日曜日には僕は行かない」。
→曜日つながり
→美少年つながり

▼なんでか気になる。

「愛の手紙」
(ダニエル・ヴォル編 堀田敏幸訳/小沢書店)

「恋愛書簡アンソロジー。純愛、不倫、同性愛…
愛の歴史が物語るフランスの心」(帯より)
いろんな人の書いた手紙を集めています。(ノンフィクション)
やはりフランスですか、こういうのは。
今はっきりと自覚しましたが、私は人の手紙を読むのが好きなんです。
殊に、工夫のある結びの言葉にはしびれます。
不思議な満足感のあるオススメ本。
→ミニ特集・文壇ワイドショー

▼意外に楽しめる。

「好色なトルコ人 富士見ロマン文庫」
(作者不詳 明石苑訳 金子國義カバー・イラスト/富士見書房)


「時代は19世紀の初頭、アルジェの後宮を舞台に展開される愛欲絵巻」。
愛欲絵巻!(笑)。
まぁ、そういう分類があるとすればハーレムものです。
気合いの入ったエロチック小説ですが、
全編、手紙で構成されていて、意外に凝っていて楽しめます。
→ミニ特集10・富士見ロマン文庫

▼こんな友達がほしいぞ。

「アイデアレター 保育社カラーブックス」
(河原淳/保育社)

アイデアレターという題そのままに、
「こんな手紙はどうか?」というアイデアのあれこれです。
最近はメールばっかりで、紙の手紙(?)はめっきり書かなくなりましたが、
こんな手紙なら作ってみたい。いや、送ってもらいたいです。
手紙って言うよりはミニ工作ですかね。
心底かわいいものから、「おいおい」ってツッコミ入れたくなるものまで
奇想があふれてます。いいっすねー。こんなことばっか考えてるのかなぁ。

▼少し暗い気持ちに。

「ラヴ・レターズ」
(A・R・ガーニー 青井陽治訳/劇書房)


「50年間の長い時間に一組の男女の間を行き来したラヴ・レターズ」。
だそうで、全編手紙のやり取り。
ほのぼのした作品かと思いきや…。

手紙という通信手段は古風で素敵だけれど、
タイムラグがありますから、すれ違いも生じやすい。
メールはとかく<言い過ぎ>になりがちで、言い争いには向かないツールだと批判されますが、手紙だって顔を合わせない分、書き過ぎもします。
アンディーの気持ちになったり、メリッサの気持ちになったりして
とってもとっても疲れました。
意地っ張り。口下手。頑固。素直じゃない。
そんな理由で恋愛に苦労した人なら誰でも他人事とは思えなくて、胸苦しくなる本。
可憐な見かけの割にはヘヴィですので、ご注意。

▼ほろり。

「向田邦子の恋文」
(向田和子/新潮社)

向田邦子の死後に発見された、彼女とN氏との間で交わされた手紙。
それについてのテレビの特集番組も見ました。

生涯独身の向田さんでしたが、そうか、そんな人がいたのかぁと、
ちょっと驚いた記憶があります。
しかし、彼女のイメージは何があっても揺るがないですよね。
首尾一貫した清々しさとでも申しましょうか。
一本スジが通ってビシーッとしてる。でもしっとり。
それは、うまい寿司のような(変な例え?)、清潔で深い味。
敵わないですね、こんな御婦人には。
彼女は人生のどんな場面でも、常に、その味わいを守ってたんだなぁと、
感心しつつ泣いてしまいます、やっぱり、オナゴとしては。
→向田さんと言えば、これも。
→これも。

▼涙。

「スーパーマンへの手紙」
(デイナ・リーブ 岡山徹訳/講談社)


感動モノに弱いのです。
だから涙です。この本。

スーパーマンを演じていたクリストファー・リーブ。
彼が本当にスーパーな人だったとは知りませんでした。
落馬事故で動けなくなった彼の元へ、届いた励ましの手紙の数々。
世界中からです。有名人も子供たちも。
その手紙の内容を見ると、彼の人柄もあっての励ましなんだなと分かります。

子どもの手紙が微笑ましいのは当然ですが、
あなたの大ファンなんですよ!と言っちゃえる大人の方々もステキですな。
だいたい他人にこんなに暖かな手紙を書ける人類って、やっぱり素晴らしいんじゃなくって?
と、こちらまで暖かな気持ちになれるハートウォーミングな良書なのでした。

▼なかなかこってる。

How to Write Love Letters
(洋書、英語、ハードカバー)※送料無料」
(Michelle Lovric/Shooting Star Press Inc.)

ラブレターの書き方の本です。英語です。
えーっとですね、
A guide for lovers, with model letters, historical examples and practical advice for all occasion.
だそうです。
ん〜、「恋人たちのための手引書。歴史的実例や実用的アドバイス付き。あらゆるシーンに対応します」って感じですか(テキトー)。
1995年発行。古本としてはまだ新しいです。
もっと古かったら、もっと雰囲気が出て面白いのにな、と思いました。
カバーもご覧の通り、リボンが貼りつけてあって面白いけど、
中身もコリコリです。凝り凝り。

こんな感じ(←)。全ページ、絵入りで装飾過多(笑)。
だって色調が黒と金ですよ。
なんかなぁ、文化の違いを感じます。
ラブレターの本なら、ひっそりとかわいいのがいいと思う日本民族の情緒とはかけ離れた1冊。
もちろん好きです(笑)。

The Frustrated Lover、The Satisfied Lover、The Hungry Loverなどなど。などなど。The Separated Loverにはちゃんと、SHORT VERSIONとexpanded versionがあります。拾い読みしても笑える本です。
You've kidnapped my heart.やって! ぜひ書きたい!

▼涙が。

「戦場から妻への絵手紙―前田美千雄追悼画文集」
(高沢絹子編/講談社)


前田美千雄さんという方が、戦地から奥様へあてて描いた絵手紙集です。
東京美術学校日本画科を卒業されたそうで、とてもお上手です。
絵には、短い文章が添えられています。
駐屯地や戦地の様子、日々の感想を簡潔に奥様に伝えています。
時には「返事が遅くてさみしい」なんて、催促もあります。
真心のこもった文章にはどうしても涙。

戦争のために召集され、奥様とは新婚1年で離れ離れになったんですって。
そして昭和19年12月、便りは途絶えたのだそうです。
奥様側からの思い出も添えられていて、それにまた涙です。

彼の手紙に大仰なところはなくありのままを伝えているし、
この本の体裁もいたってシンプル。
だからこそストレートに胸を打ちます。

他に…
「ゆかいなゆうびんやさん−おとぎかいどう自転車にのって−
(ジャネット&アラン・アルバーグ 佐野洋子訳/文化出版局)
「誘惑術」(島村洋子/実業之日本社)